こまつ座 頭痛 肩こり 樋口一葉
2013年 07月 13日
最近、お芝居とはご無沙汰だったので、かなりお久しぶりの演劇。
こまつ座は、井上ひさし氏の戯曲のみを制作する演劇集団です。
本作は、井上ひさし氏がこまつ座旗揚げ公演で書き下ろした樋口一葉の評伝劇で、こまつ座第100回記念公演で待望の上演です。
主演の樋口一葉を、小泉今日子さんが演じるせいか、連日の満員御礼。
父や兄に先立たれ、やむなく戸主となり母と妹との生活を支えようとする夏子(一葉)。
和歌で自活できないことを知り、小説で身をたてる以外に道はないと悟った夏子はただひたすら筆を走らせる。
「ただ筆を走らせるためだけに身体をこの世におく」とそう心に決めた時、夏子の前に現れたのは、彷徨える幽霊の花螢なのでした。
登場人物は、夏子とさまざまな境遇の女性ばかり6人。
舞台は、一葉19歳から24歳で亡くなる2年後までの、毎年のお盆の十六日という設定。
仏間だけの舞台設定ですが、一葉の境遇とともに、住処が変わり、また周りの女性の境遇が変わることで、時の流れを表現しています。
ほとんどのシーンがお盆なのに、ただ一カ所、吉原遊郭近くの下谷龍泉寺町で雑貨店を開いていた時だけが秋、そして裏庭の設定。
ほかのシーンはお盆で統一されいているのになぜ? 作家の意図は??
結果的には『たけくらべ』の題材ともなった下谷での生活ですが、一葉の生活が経済的にも、精神的にも一番ツラい時期だったからなのでしょうか?
三田和代さんはじめ、舞台の名優揃いの舞台はさすが。
ただ、間延びした感があったので、も少しテンポがいいと良かったかな。