唐津&福岡食べ歩きの旅 ~その6・旧福岡県公会堂貴賓館~
2011年 05月 04日
竣工は、1910年(明治43年)3月。
4月には、閑院宮ご夫妻の宿泊所として利用されたほか、会の終了後は県の公会堂として使用されていました。
戦後は、裁判所や、県の施設などとして使用されていましたが、1981年(昭和56年)に、天神中央公園として整備するにあたり、敷地内の他施設は取り壊されましたが、旧公会堂のうち貴賓館のみ、数少ない明治時代のフレンチ・ルネッサンス様式の建物として、保存されることになりました。
1984年(昭和59年)重要文化財に指定されています。
北側正面中央に、石柱による玄関ポーチが突出し、北東隅に八角塔を張り出し提案す。
南側背面には、平屋の浴室等が付属し、南東の隅にはベランダを回しています。
外観は、1階はモルタル壁に目地を入れ、2階は窓額縁や軒蛇腹をモルタルで造出して、石造り風にしています。
屋根は、中央に陸屋根を設けた寄棟形。
八角塔屋根は先頭となっていて、陸屋根以外は天然スレート葺きです。
1階左右に食堂、配膳室、応接室、事務所等を配しています。
食堂は、現在はレストランとして営業中です。
館内は、ボランティア・ガイドの方が案内をしてくださいます。
1階は、遊戯室だったところは、資料・展示室になっています。
ガイドの方のお話では、設計者は、湯島の岩崎邸を参考にしたとのこと。
豪奢な岩崎邸に比べると、少し地味だな、という気もしますが、財閥の私邸と、地方の公共建築物の差、というところでしょうか。
数々の公的施設として使用された経緯を考えても、建築当初の内装は、ほとんど失われているのではないかと思います。