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香港珍道中 ~その8・マカオ編③~

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角を曲がると、ひときわ賑やかな通りに出ました。
マカオ半島の街の中心地セナド広場一帯です。
広場と周囲の建物の多くが世界遺産に登録されています。
白とグレーのタイルで模様を描いた石畳(カルサーダス)が、広場と周囲の歩道を彩ります。


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セナド広場の真向かいにある白い建物、ポルトガル植民地統治の中枢、民政總署大樓Edificio do Leal Senedo。
併設する図書館には、17~20世紀の外交文書やマカオで発行されたポルトガル語の新聞などを収蔵しているそうです。


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春節用の飾り付けの真っ最中。
ここにステージが組まれて、さまざまなイベントが行われるそうです。


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議事亭前地Largo do Senado(セナド広場)には、池があり、別名「噴水地」とも呼ばれているそうなんですが、飾り付けの下敷きになってしまったのか、あまりの人の多さのためか、どこにあるものやら分りませんでした。



池の中央には、地球儀が置かれていて、大航海時代のポルトガルとスペインの覇権争いに、ローマ教皇が両国の勢力範囲を定めた境界線を示したものです。
これによって、東方世界をポルトガル、新世界はスペインが開拓すると決まったそうです

香港珍道中 ~その8・マカオ編③~_a0146493_1652316.jpgセナド広場に面して建つ仁慈堂大樓Santa Casa da Misericordia
16世紀にイエズス会が組織したミゼルコルディアという慈善機構が設置されていたところで、貧しい人や、囚人への奉仕、外地で亡くなったポルトガル人の財産を国の家族に届ける活動などをしていました。
建物は、18世紀後半のネオクラッシック・マヌエル様式。
マヌエル様式は、船のロープや改装などの装飾を多用するポルトガル独自の様式です。

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たくさん歩いたし、ここらでちょっと休憩を。
広場に面したお店で、エッグタルトを買いました。
マカオ式は、上にこんがり焼き色がついています。


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ランチも食べずひたすら歩いていたので、エッグタルトでおなかが満たされる訳もなく・・・ということで、遅いお昼を食べることに。
黄枝記粥麺店Wong Chi Kei Congee & Noodle
1946年創業の老舗麺屋のセナド広場支店だそうです。



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麺とワンタンの皮は竹を使った伝統的な麺打ち手法で手作りしている、ということで、看板メニューの鮮蝦雲呑麺をいただきました。
あっさりしたスープが、疲れた体に浸みわたりました。


日もどんどん暮れてくるし、とにかくマカオ観光の目玉聖パウロ天主堂跡までたどり着きたいのですが、街中が世界遺産のような場所なので、ちょっと歩くと見どころにぶつかってしまって、なかなか進めません(>_<)


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バロック式のファサードが美しい、玫瑰聖母堂Igreja de S.Domingos(聖ドミニコ教会)
メキシコのアカプルコからやってきたドミニコ修道会のスペイン人修道士3人によって、1587年に創建されました。


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祭壇には聖母子像が祀られており、天井には、A.M.(Ave Maria)の文字をモチーフにした優美なエンブレムが描かれています。

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聖ドミニコ教会のあたり、ブランドショップ?やブティックが立ち並ぶかなり賑やかな通りです。


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賣草地街を左折すると、お土産屋さん、食べ物屋さんが並ぶ、さながら寺社仏閣の門前町の様相に。
このあたりに人類の祖先とされる道教の女神を祀る女媧廟があるそうです。
縁結びの神様として信仰を集めたとか。
華やかな凧を売っているお店がありました。


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ごちゃごちゃとした商店街の向こうに、聖パウロ天主堂が見えてきました。



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マカオを象徴する世界遺産、大三巴牌坊Ruinas de S. Paulo(聖パウロ天主堂跡)
上から2段目の中央には、少年イエスの像、3段目には聖母マリアの像、4段目には3つの窓の両側に4人の聖人像が置かれています。
右から二人目の聖人は、日本にキリスト教を伝えた聖フランシスコ=ザビエル、左から2人目はイエズス会の創始者聖イグナティウス・デ・ロヨラです。

1582年に建てられ1601年に焼失。
翌1602年にイエズス会により再建が始まり、1640年に完成。
実に30年以上の歳月を費やして建てられた教会は、東洋一美しいと言われていたのですが、1835年に再度火災に見舞われ、ファサード(前壁)と階段壁の一部を残して、失われました。

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ファサードの後ろ側から、こんな風に補強されていて、上まで登ることができます。
が、足元がスケスケなので、か・な・りヒヤ~っとします( ̄▽ ̄lll)
上の写真で手を振っているのが、Mちゃんと私です(笑)


聖堂が火災で失われた時に、貴重な歴史文献も失われました。
30年余りを日本で過ごし、当時の日本の社会や風俗を記したルイス=フロイスの『日本史』もその一つですが、幸い写本が作成されて、マニラを経由してヨーロッパに、そして今日まで伝えらました。
織田信長の人となりや、当時の日本の様子が詳しく伝えられているのは、この資料ゆえなのだそうです。

天主堂跡の地下納骨堂には、聖職者の遺骨の他、キリシタン追放令で海外に逃れて亡くなった日本人殉教者の遺骨も納められているそうです。
天正遣欧使節で、ローマまで旅をして教皇に拝謁した原マルチノも、帰国後日本を追われ、この地で亡くなったそうです。
数奇な運命ですね・・・。
by saguaro2 | 2011-01-19 22:31 | 2011 HONG KONG

サワロのつぶやき♪2 ~日本橋生活~より改題しました。


by saguaro2
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